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中国リアルタイムレポートREALTIME REPORT

第15回中国国際有機食品展示会 視察報告

【名誉主催】  IFOAM(International Federation of Organic Agriculture Movements)
【主催】 中国検験検疫科学院(Chinese Academy of Inspection and Quarantine)
【協力主催】 NurnbergMesse China Co., Ltd.(ドイツNurnbergMesse社の中国現地法人)
南京国環有機産品認証中心
   
【開催期間】 2021年5月12(水)~14日(金)
【開催場所】 上海世博展覧館(上海市国展路1099号)

「中国有機産業発展報告」の統計によると、 現在、中国は世界で四番目の有機食品消費国ですが、人口比で見ると、先進国に比べまだ非常に大きな成長の空間があります。

 

中国中央人民政府(国務院)は、2014年以降複数の指導意見を発表し、「国家食糧の安全保障体系の構築」、「農業支持保護制度の強化」、「農業に影響する汚染防止の強化」、「グリーンプロダクツの標準、認証、ロゴ体系を統一的に築く」、「国家栄養の発展と未来を全面的に打ち出す」などのスローガンを打ち出しています。また「2060年までにカーボンニュートラルを実現する」という目標を掲げ、社会環境や経済産業の全面的な変革を目指しています。


このような後押しの中、有機食材の製品や用途も拡大しています。近年来、ベビー関連市場のプラスの影響を受けて、有機食材でできたドライミルクなどの製品が、今年の博覧会で初登場しました。更に、有機食材からできた化粧品、有機食材からできた服装もかなり観客の心をひきました。

では、展示会の様子を簡単にご紹介いたします。

今回の博覧会で出展されている業界

今回の展示会で出展があったのは、生鮮食品、パンやケーキの原材料、飲み物、天然食品、紡織品、マスコミ及びサービス提供、飴及びお菓子、冷凍食品、技術と設備、非食品類製品、その他食品など、11カテゴリーです。

 

中国産有名ブランドの「特仑苏」「禾然有机」「圣牧」「惠氏」以外にも、ルーマニアやカナダなどの国から約7社の企業が出展していました。中国ではアフターコロナと言える状況になったものの、海外は状況が好転していない国も多く、その影響のためか海外からの出展はかなり少なくなりました。

 

出展企業の全体的な傾向から判断すると、中国自体の有機食品産業において、原材料から加工技術、加工設備、認定機関、コンサルティング、チャネルまで、一連の産業チェーンがかなり整ったようです。国内生産と国内販売の勢いが増している事がうかがえます。

有機食品に関連する認証の普及

冒頭でご紹介した政府の指導意見のように、農業や食品業界が、更なる規範化・透明化を求められる時代を迎えています。統一された業界規定は、消費者にとっては自分自身の権利が保障されたのみならず、これから業界参入を検討する企業にとっては明確な方向性があることで、動きやすくなります。これらの基準は、商売を困らせるものではなく、より多くの集団・組織が社会と環境の変革に参加できるように、作られています。数年前の中国に比べて、かなり進歩したと言えます。

 

中国国家認証認可監督管理委員会によると 、2019年に中国国内有機認証が発行した認証は、21,764件にのぼりました。2018年より12.29%増加し、2015年から2019年まで年間増加率は13.76%です。


有機食品の開発や生産、認証の取得は高いコストが生じます。ですが、本当の意味の「持続可能な社会発展」を実現するために、中長期的なミッションやビジョンを掲げ、取り組む中国企業が増えていると言えます。

ベビー用品専用エリア

子供向けの食品は以前の展示会でも出展がありましたが、今年は初めてベビー専用品のエリアが設けられていました。

 

現在中国では、ベビー用品の市場が拡大しています。中国アイリサーチ社発表の『2021年中国ベビー市場消費傾向研究報告(2021年中国母婴市场消费趋势研究报告)』によると、2012年ベビー経済規模は約1.2兆元でした。2020年に市場は約3.2兆 元まで拡大すると予測されています 。生育率の影響で、近年来成長率はやや減りましたが、ベビー向けの健康食品はまだ勢いのあるビジネスチャンスです。

 

例えば、今回の展示会にはネスレのブランド「Gerber」が出展していました。「iiMedia Research」 の調査によると、2020月5月の「Gerber」のオンライン販売数は、ベビー食品領域において第二位の19.9万件でした。

また今回は出展していませんでしたが、同調査によると、第一位はイギリスの「Little Freddie」、第四位はアメリカの「KraftHEINZ」と、海外ブランドの活躍も目立つ業界です。これから中国進出を検討する日本企業にとっても、明るい情報かと思います。

品質+「持続可能な社会発展」

政府の後押しもあり、中国国内でも実力をつけている企業やブランドは多くあります。例えばベビー向け食品の中国国産ブランド「方広」は、2019年から「有機」を打ち出す方向に戦略を転換し、大きく拡大しています。オンライン販売数でみると、前述の「Little Freddie」と「Gerber」に続く第三位につけているそうです。

 

中国で成功している海外ブランドが存在している事は、今後中国販売を検討する日本企業にとっても追い風となるでしょう。しかしながら実力をつけ市場を席巻している中国ブランドも存在しています。またそのような中国ブランドは、単に品質の良さを売りにするだけでなく、「持続可能な社会発展」実現を目指している事も強調しているケースが見られます。

 

今後中国進出、または更なる中国市場開拓を目指す日系企業にとって、参考となれば幸いです。

  

参考HP:

中国国際有機食品展覧会(英語):http://www.biofachchina.com/en/

 

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