中国ビジネス ""の一問一答Q&A
日本でレストランを数店舗経営していますが、中国人のお客さまから「このレストランは中国でも繁盛する。中国で事業展開しないか。自分が保有する中国の会社が支援する」と誘いを受けました。 信用できそうな方なのですが、決断できずに困っています。まず何をしたら良いでしょうか。
中国進出について検討されるのであれば、中国人の方の会社の社名を正確に聞いておいてください。いずれ将来必要になるからと「営業許可証」のコピーをメールなどで送ってもらうとなお良いでしょう。そのように依頼して、迅速に対応してくれなければ、断られた方が無難です。 そ れら提出をしてもらえたとしても、話を具体化させる前に、必ず中国へ視察に行ってください。1度で決断せずに2度3度行かれることをお勧めします。その際 に、相手のオフィスにも必ず訪問してください。
オフィスが無い場合や、理由を付けて訪問させてもらえない場合は、断った方が良いでしょう。 渡航した時に中国人の方々は歓迎しご馳走してくれますが、それを恩に感じて決断に影響させないようにしてください。 慎重に検討し、もし進出を決断された場合、法的手続きは信頼できる日系の会計事務所や弁護士、コンサル会社などに依頼することをお勧めします。
自社は飲食業なのですが、BtoCの場合は上海から進出するのが良いでしょうか?
上海は人口も多く、所得水準も高いため、日系など外国の飲食店が展開するには確かに魅力的です。しかしながら、競争も激しい上に、人件費や家賃なども高騰しており収益確保は容易ではありません。 そのため、「上海店舗はフラッグショップとしての位置づけにし、収益は周辺都市で確保する」企業様や、「最初から周辺都市で展開する」という企業様も増えています。 実際、上海から新幹線や車で1縲怩Q時間圏内の都市にも、蘇州や無錫など、十分に魅力的なマーケットを持つ都市が存在します。 どの都市からどのように展開するのかは、中国展開の目標像を明確にし、自社の競争力など考慮した上で、決定されることをお勧めします。
中国への進出が奨励されている業種と、禁止されている業種があると聞きました。自社の業種が進出可能かどうか知りたいのですが、どうしたらよいでしょうか?
中国政府が「外商投資産業指導目録」というものに公表しています。翻訳版がJETOROのHPに掲載されていますので、参照してみてください。 ただし、進出の仕方には様々な方法があります。特例を設けている「特区」がある場合もありますので、一度ご相談下さい。
中国で現地法人を設立する上で、資本金は最低いくらぐらい必要でしょうか。
日本法人の資本金で設立する場合、法定の最低金額は3万人民元(およそ40万円)です(2011年2月現在)。しかし、営業許可を得るためには、「現実的 に経営を行える」と判断される金額が必要です。業種によって異なりますが、一般的に固定費(人件費、家賃など)の1.5年分ほどとなります。この費用は、 分割での払いも可能です。 これは業種、必要設備によって大きく異なりますので、一度ご相談ください。
労働争議が多発していると聞きますが、大丈夫でしょうか。
労働争議は昨年から日系工場で多発しており、賃金高騰、組合対応などで非常に苦労されています。 多くのワーカーを必要とする工場設立が必要な場合は、労働契約の内容から福利厚生、組合対応などを現地専門家と十分に話し合いながら進める必要があります。 一方、上海や北京などの都市部で飲食店などを展開する場合、各種労働法規を遵守した雇用をし、教育訓練制度や人事評価制度を適切に設けていれば、さほど心配する必要はありません。
当社は平均的な技術力しかない中小企業です。それでも中国に進出する方法はあるのでしょうか。
日本での「平均的な技術」が、中国で差別化要因になる可能性は多いにあります。 市場ニーズに合わせて製品をカスタマイズして提供したり、中国企業への技術コンサルティング会社として進出することも可能です。 これは商品分野や技術レベルによって異なります。中国より日本で集中展開した方がよいケースもあります。 まずは自社の将来像や「強み」を改めて整理の上、市場調査されることをお勧めします。
現地スタッフに接客トレーニングをして効果がありますか?日本では接客の良さも弊社の強みの一つです。日本でのトレーニング内容が、どの程度中国で有効なのか不安です。
地域や業種、採用条件により差異はありますが、現地スタッフに接客トレーニングを行うことで、「高いレベルの接客」を行い得るように出来る可能性はあります。 弊社は日本と中国、それぞれで多くの企業様のトレーニングを行ってきましたが、中国現地スタッフのレベルは年々高まってきており、教育効果も上げやすくなっています。 しかしながら、日本のトレーニング内容がそのまま通用するわけではありません。特にお辞儀や笑顔のように、中国企業では日常的ではない行動を浸透させるには、様々な工夫が必要です。各業態毎に、トレーニング内容とマニュアルは、中国向けに再構築する必要があります。
現地スタッフ採用はできるのでしょうか。
日本の大手人材紹介会社が多数進出しており、日本語で対応してくれます。上海や北京などの都市部であれば、登録人数も多く、優秀な人材も見つけやすくなっています。 一 方、内陸部では人材紹介会社も拠点が少なく、採用が困難なようです。特に優秀な人材確保は容易ではありませんが、内陸部は今後の経済成長が見込めるので、 進出を考えられる場合には、早期から採用に着手し、必要数より大目の人数を集め、教育によって選抜していくなどの取り組みが必要です。
知人から「中国への投資」の話がありました。「企業や政府も関与しているプロジェクトなので信頼できる」とのことですが、本当に大丈夫でしょうか。
以前から頻繁にいただく相談です。 「政府のプロジェクト」「政府高官の家族が関与している」「中国業界で著名な方」「中国全土の○○に出店する権利を既に持っている」等々・・・。 全ての話が嘘だと限りませんが、「ビッグプロジェクト」ほど、「その後成功した」と聞くことは少ないように思います。 そこから考えますと、金銭面での投資はもちろんのこと、製品や技術を提供する場合でも、契約締結前に十分すぎるほどの事前調査を行うことは、不可欠です。 そして契約締結の前には、現地事情を把握している法律事務所と念入りに相談されることを強くお勧めします。「信頼できる相手だから」と相手企業の契約書を鵜呑みにするのは、トラブルのもとです。
中国市場への進出を検討していますが、まず何をしたら良いでしょうか?
「売りたいモノ(サービス)」が決まっているのであれば、中国の法的な調査、中国市場のニーズ調査、競合調査などから始めます。
日本国内である程度の調査をした後に現地視察を行うと、非常に効果的です。
一方、「売りたいモノ」が決まっていない場合や、本業以外での新規事業を予定している場合には、まず現地視察をしてみるとヒントを得られることがあります。
現地視察時は、少なくとも2縲怩R都市を時間をかけて確認するとより多くのことが確認できます。
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