中国ビジネス ""の一問一答Q&A
うつ病と思われる部下への接し方に注意点はありますか
専門医の診断を受けるよう促して下さい。
よく「頑張れと励ますのはよくない」と言われますが、そのとおりです。また、「長時間、じっくりと話を聞いてあげる」のも逆効果となることもあります。
上司が自分経験から良かれと思ってやったことでも、うつ病の部下には自傷行為など取り返しのつかない事態を招くことも有りえます。
安易な判断はせず、専門医にまかせてください。
働く人のうつ病とはどのような病気ですか
メンタルヘルス不調の一種で、最も典型的なものです。
ゆううつな気分が続く、意欲が出ない、考えがまとまらないなどの症状が、「二週間以上」続く状態場合が該当します。
症状は人により異なり、「仕事はできないが日常生活はできる人」から「自宅で寝たきりでベッドかから出られない人」もいます。画一的な状態で判断できるものではなく、人により異なるものです。そのため、専門医の判定が必要です。
コロナ禍でメンタルヘルス不調は増えていますか
信頼ある統計数値としては、現時点では相関関係は確認できていないようです。
ただし、弊社提携のメンタルクリニックによると、以下の傾向があるとのことです。
①メンタルヘルス不調を発症していた人は、テレワークで不調が和らいでいる
②新たなストレスやプレッシャーなどが追加された管理職者などで、メンタルヘルス不調の相談が増えている
②でも直ちにうつ病などの診断が行われているのではなく、現時点ではあくまで「未経験の事態により、不安感が高まっている」というものです。そのような傾向を把握できた組織は、その不安感に対応する取り組みを早期に行うことで、今後の深刻化を防ぐことができます。
アンガーマネジメント研修の所要時間と費用を教えて下さい。
研修前のWEBアンケートの結果によって、効果的な内容や回数、所要時間をご提案します。
1~2時間/回の場合、20万円から実施しています。
アンガーマネジメントのスキルにはどのようなものがありますか
有名なものに、「6秒間待つ」というものがあります。テレビでも多数紹介されているので、ご存じの方も多いと思います。ただし、単に怒ることを我慢し続けるのは、あまり得策ではありません。
そのため怒らなくて済むようにする知識と手法があります。知識には、「怒りの目的」「怒り発生のメカニズム」「怒りの影響」などがあります。
手法には、「怒りを記録する」「『今』に集中する」「認知の違いを認める」などがあります。
これら知識や手法、その学習方法については、日々研究されて進化しています。
中国事業の撤退を考えています。どのような方法がありますか?
事業撤退の方法には、以下三種類があります。
1)持分譲渡 2)清算 3)破産(倒産)
いずれの場合も、「出資者全員の合意」「董事会での全会一致」「審査認可機関の許可」が必要です。
どの方法を選ぶのが良いのかは、会社資産や従業員との関係など状況を総合的に検討した上で判断しなければなりません。
中国の弁護士事務所や会計事務所などに直接相談すると、清算手続き業務を受託するために事業撤退を強く勧められることが多いようです。
しかし、撤退以外にも、新たなパートナーを見つけたりするなど、再建して事業継続する方法もあります。
特に2020年3月時点では、新型コロナウイルス関連に伴い、都市によっては法人への何種類かの優遇処置もあります。
冷静かつ総合的にご検討ください。(2020年3月)
アンガーマネジメントとはどのようなものですか
1970年代に米国で生まれた「不適切な怒りを予防し、制御する」ことを目的とした手法です。
オフィスにおけるアンガーマネジメントの場合は、怒りっぽい管理職に対して「怒りの予防、制御」することで、パワハラ発生予防を行います。また、怒れない管理職に「必要な時に怒る」ようにすることで、より良い人材育成ができるようにします。
中国事業の撤退時の注意点があれば教えてください。
特に注意が必要なのは、以下三つの相手です。
1)従業員
「経済補償金」を支払わなければなりません。基本的には、勤務年数1年間につき1ヶ月分給与の相当額を支払うことになります。法定の最低限で合意が得られない場合もあるので、事前に慎重な対応が必要です。
また、組合に相当する「工会」がある場合、合意も必要となります。
2)現地政府
現地商務部門の許認可に加え、工商、税務、税関、外貨、統計、財政、社会保険などさまざまな抹消手続きが必要です。現地政府にとって企業撤退は、税収入減となるため円滑に進まないこともあるので、慎重に十分な準備が必要です。
また、経済特区など進出時に優遇を受けた企業や、税務上コンプライアンス違反を隠している企業は、手続きが一層困難になるため、詳しい弁護士に相談してください。
3)事業パートナー
日本本社独資の場合はさほど問題になりませんが、中国側パートナーとの合弁会社の場合には、自らの出資分だけでも取り戻そうとすることもあるため、トラブルになることもあります。清算手続きには「董事会の全会一致」が不可欠なため、中国側パートナーの協力が得られない場合、手続きさえ開始できないということもあります。
また、法人清算後、中国側パートナーが会社の特許情報やクライアントの機密情報を持ち出し、競合会社に販売するという事案もあるので、注意が必要です。(2020年3月)
新型コロナウイルスにより、企業の経営状況に多大な影響が及んでいます。上海市では、企業経営に対しどのような支援政策がとられていますか。
上海市では、「沪28条」と呼ばれる28項目の政策が通知されています。この内、「企業負担軽減政策」と「雇用安定に向けた支援政策」として、主に以下のような政策がとられています。
【企業負担軽減政策】
・納税申告期限の、最長 3 ヶ月の延長が認められています。なお、滞納金や罰金は課されませんが、事前に所轄税務局の審査・許可を取得する必要があります。
・新型コロナウィルス感染拡大による経営が大きく影響される業種の企業は、2020 年に発生した損失の繰延期間を通常の 5 年から最大 8 年まで延長することができます。
(「国民経済行業分類」に基づくと、「困難な状況にある業種」とは、交通運輸業、飲食業、ホテル宿泊業、旅行業の四大業種を指します。また、 2020 年の総売上の内、当該四大業種に関わる売上の割合が 50 %以上であることが条件とされています。)
・公益性社会組織や、県級以上の人民政府および部門などの国家機関に対し、感染拡大防止や治療のために現金及び物資を寄付した企業は、寄付相当額を全額税前控除することができます。
【雇用安定に向けた支援政策】
・「稳岗补贴」が本年度も継続して施行されます。前年度の失業率が3.92%以下、及び上海市産業調整政策、環境保護政策に適合する企業、尚且つ失業保険を納付している企業であれば、前年度納付した失業保険(会社分+個人分)総額の50%を、採用安定の補助手当として企業に還付されます。
・社会保険料の基数調整が、従来の4月 1 日から7 月 1 日に変更されます。本年度も基数は上昇する見込みですが、調整が3 ヶ月遅れる事により、企業の保険料負担が軽減されます。
・本年度における医療保険の会社負担比率が、 0.5 %引き下げられます。
・勤務形態の多様化が推奨されています。給与や勤務時間の調整、年間休日の前倒しの使用など、従業員との協議を経て柔軟に採用する事が可能です。
*3月16日まで上海市政府が発表した政策に基づきます。
「沪28条」URL:http://www.shanghai.gov.cn/nw2/nw2314/nw2319/nw12344/u26aw63478.html
中国において、新型コロナウイルスによる特別時期に、正当な理由なく出社を拒否する従業員について、どのような政策が取られていますか。
新型コロナウイルスの感染規模がある程度収まり、各業界の会社が徐々に営業を再開しています。
ただ、帰省先の交通手段が完全に封鎖されているなどの、正当な理由なく出社を拒否する従業員に対しては、出社するよう通知を出し、それでも出社を拒否する場合は、従業規則により無断欠勤として処理することができます。
*2020年3月5日時点に公表されている情報に基づきます。
- 本質問のお問い合わせはこちら
- 本質問に関するWebからのご質問・お問い合わせはこちらから。
- お電話の場合は、下記にお問い合わせください。
A&Cアソシエイツ株式会社
03-6238-3508上海埃和希企业管理咨询有限公司
+86(21)6171-3770 日本語、中国語可